2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
カップリング希望の提出。 たしかこのパーティーでは最大第5希望まで出せたと記憶している。 単純にいうと、こちらが希望を出した相手もこちらに希望を出していたらカップリング成立だ。 カップリングした二人は大抵の場合、会場を出たすぐのところやビルの…
アナウンスの開始とともに、場内のざわめきが消える。 僕とAさんも会話を中断して、手元のタブレットを操作した。 すぐに画面が更新されて、アピール結果が表示される。 自分が送ったのは3人で、送ってくれたのは…… 7人だった。 ゼロではなかったことにホッ…
アピール送信が終わって隣を見ると、Aさんはグラスに口をつけていた。 ちゃちゃっと済ませたのだろう。 いっぱい送りましたか? と訊いてみたかったが、いくら親切なAさんにでもさすがにためらわれた。 代わりに、「いい人はいましたか?」と尋ねる。 これも…
誰に送ろうかな…… 画面をスクロールさせて参加女性をさーっと確認する。 よく憶えている人、印象が薄くてあまり憶えていない人、様々だ。 印象が強くても、自分にとっていい意味でない人も僅かだがいる。 逆に、なんとしてもこの人とはお近づきになりたい、…
すべての参加女性とトークを終えて、最初の個室に戻ってきた。 Aさんと再会して、「お疲れさまでした」と挨拶を交わす。 「どうでした?」 「ぐるぐる回って、回遊魚になった気分でした」 笑うAさんに、「ちょっと疲れました」と本音を漏らすと、Aさんも「で…
①を選べば、「でもお給料安いから、このくらいは」あたりが返ってきて、以後も仕事や趣味といった無難な話題に終始しそうだ。 ②を選べば、間接的に誘うことになるだろう。 迷った結果、「今の季節だったら屋外球場は気持ちいいでしょうね」と中間あたりで答…
そろそろ終盤かな…… 12人中、8人目が終わったあたりには、会場の雰囲気にもほどよく馴染めていた。 初対面の女性との会話は、多少の緊張こそあっても、決して居心地の悪いものではない。 むしろ同じ目的を共有する、仲間意識とでも呼べるものが芽生えていた…
「全然いないんですよ~」 やっぱり唐突だったかな、と内心、心配したが、Bさんは思いのほか明るい調子で答えると、笑いながら話を続けてくれた。 「先生はおじいさんで、あとは女性ばかり。同僚も彼氏できないって嘆いてます」 言われてみれば、歯科で男性…
「失礼します」 「こんにちは」 次の個室に入ると、奥に座っているBさんが笑顔を作りながら挨拶してくれた。 個室を移動するのは男性なので、女性は常に奥側の席に座っている。 席に着きながら「〇番の○○です」と簡単な自己紹介をすると、Bさんも気恥ずかし…
パーティーの開始時刻になって、司会者が進行方法を説明する中、Aさんのプロフィールを確認する。 37歳で会社の事務員。 趣味は旅行に小物作りとあった。 これだけ見ると地味な印象だが、実際のAさんはショートカットの似合う、健康的なしっかり者といった感…
腕時計を見ると、パーティー開始まで残り5分を切っていた。 パーティー中は、女性との数分のトークタイムが終わると、男性が次の個室へと移動し、それを参加女性の人数分、繰り返すと聞いていた。 個室間の移動時間はほぼゼロ(数歩)なので、ある女性と話…
「実は今日、初めての参加なんです」 Aさんの優しそうな雰囲気に甘えるような形で、僕は正直に言った。 こういう場面では普通、天気の話でもするのだろうけど、Aさんには心許せる何かがあった。 お手柔らかにお願いします、という心情も込められている。 「…
会場内には、ちょうど2人が入れるほどの個室が、左右に列になって配置されている。 男女12対12のパーティーなので、少なくとも12の個室はあったことになる。 「すでに女性の方が入られています」 個室まで案内してくれたスタッフの方はそう言って、受付へと…
JR有楽町駅の改札を出ると、まだ昼前だというのに、すっかり夏らしくなった強い日差しが容赦なく降りかかってきた。 今日は暑くなりそうだ、と思いながら、通り向かいの東京交通会館に向かう。 目立つ建物なので迷うことはなかったが、実際に中に入るのは初…
いろいろなパーティーがあるな…… PARTY PARTYのサイトを覗くと、各種パーティーの情報が溢れていた。 パーティー毎に開催時間や場所、参加人数、参加できる条件等が決まっていて、参加可能なパーティーの中から、自分の希望にあったパーティーを選ぶことがで…
はじめに 3年前の2018年の夏、アラフォーの自分(男性)は妙な焦燥感にとらわれました。 この先、心から結婚したいと思える女性に出会えるのか 運よく出会えたとして、その願いを叶えられるのか 年齢を重ねるほど、ハードルも高くなっていくのでは…… 世間的…