「実は今日、初めての参加なんです」
Aさんの優しそうな雰囲気に甘えるような形で、僕は正直に言った。
こういう場面では普通、天気の話でもするのだろうけど、Aさんには心許せる何かがあった。
お手柔らかにお願いします、という心情も込められている。
「なのでけっこう緊張しちゃってます」
「あっ、そうなんですね。初めてだったら緊張しますよね。わかります」
思っていた通りの親切さで答えてくれた。
この話題を続けられる感触を得て、
「パーティーに参加して、長いんですか?」
と少し突っ込んだ質問をした。
素朴な疑問でもある。
「私は、うん……1年半くらいかな。途中でお休みしてた時期もありますけど。でも毎回、緊張しますよ」
1年半という活動期間。
それが長いのか短いのか、見当がつかなかったが、少なくとも初回の自分にとっては、それなりの場数を踏んでいるように思えた。
そして、今日もここに来ているということは、相手がまだ見つかっていないのだとシンプルに理解した。
この時はまだ、婚活における ”同時進行” の存在を知らなかったから……。
「やっぱり、いい人ってなかなかいないものですか?」
「そうですね。私がいいと思っても、相手もそう思ってくれるとは限らないし」
少しの疲れを見せて笑うAさんに、思わず「すぐにいい人と出会えますよ」と言いそうになって、慌てて口をつむぐ。
これまでのAさんの努力を知るはずもなかったし、理想の人に出会うことの難しさも想像に難くなかったからだ。
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