婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

009. 婚活パーティー【体験】初参加(7)

「全然いないんですよ~」

 

やっぱり唐突だったかな、と内心、心配したが、Bさんは思いのほか明るい調子で答えると、笑いながら話を続けてくれた。

 

「先生はおじいさんで、あとは女性ばかり。同僚も彼氏できないって嘆いてます」

 

言われてみれば、歯科で男性スタッフをみかけたことがない。

 

そこで、さっきの所感を投げかけてみた。

 

「でも、それってすごくもったいないですよね」

「え、なにがです?」

「すごく綺麗だから。職場に男がいたら放っておかないと思います」

「ないない、絶対ない!」

 

手を振って否定しつつも、そのあしらい方はどこか様になっていた。

 

小刻みに揺れるイヤリングを見ながら、自分が美人であることを知らない女性なんていないよ、と昔だれかが言っていた言葉を思い出し、少し気後れしてしまう。

 

一番の気がかりは年齢だった。

 

普通に考えて、一回りほども年上の男に興味を持つことはないだろう。

 

その一方で、大方は僕と同年代の男性が参加するパーティーとわかった上で、彼女がここへ来ているのも事実だ。

 

なにか特殊な嗜好や意図でもあるのだろうか……

 

時間になって個室を出た僕は、即座にタブレットへ指を伸ばす。

 

もしかしたら、に期待して、印象を留めておくために押すことができるハートマークを最高値まで押した。

 

 

<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
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