「また、会いましょう」 スプーンでアイスクリームをすくいながら、僕はそう言った。 「はい、是非。いつにしますか?」 「そうですね……次の休みの日に」 「それ、いつですか?」 「え~と、そうですね……いつ、お休みですか?」 そう訊くしかなかった。 休み…
来週、と約束したものの、再会の日が訪れたのは3週間も後だった。 普通の会社員である僕の休みが土日祝である一方で、販売職に就いている2番さんの休みはむしろ平日。 お互い、会うための都合をつけることができず、予定は後ろ倒しになっていった。 有給を取…
カフェを出た僕と2番さんは、駅までの短い道を並んで歩いた。 外は寒かったけど、気持ちは温かだった。 ホームが反対方向だったので、駅の構内で立ち止まって別れの挨拶を交わす。 「じゃ、もしよかったら、また近いうちに」 「よろしくお願いします」 「LIN…
無理をしている笑顔に、僕の胸は締め付けられた。 彼女なりに苦しんできたことに気付いて、根掘り葉掘り興味本位で訊いてしまったことを後悔する。 それでも、2番さんの心根というか素顔が見れた気がして、これでよかったのだと思える。 付き合いたい。 そん…
「彼氏さんと別れて、パーティーに参加したんでしたっけ。吹っ切るために」 「そうなんです」 「ちなみに職場の方だったんですか?」 「ん、まぁ……」 少し口ごもった感じ。 「上司ですか?」 「わかりますか?」 「年下と付き合うのは想像できないので」 「…