「失礼します」
「こんにちは」
次の個室に入ると、奥に座っているBさんが笑顔を作りながら挨拶してくれた。
個室を移動するのは男性なので、女性は常に奥側の席に座っている。
席に着きながら「〇番の○○です」と簡単な自己紹介をすると、Bさんも気恥ずかしそうな表情で同じように返す。
気恥ずかしさといえば、おそらくパーティー初参加の僕の方が上回っていたに違いない。
にもかかわらず、うつむきかげんのBさんの横顔に大胆ともいえる直線的な視線を向けてしまったのは、純粋に彼女が綺麗だったからだ。
タイプだったので、今でもよく憶えている。
僕は慌ててタブレットに視線を移し、ごまかすように指を動かす。
Bさんの職業欄には「歯科受付」とあった。
さもありなん、と思って年齢を見ると、まだ20代後半の若さ。
婚活パーティーに参加するのが、少し意外に感じられた。
このあたりを訊いてみたいと思ったが、いきなりトークの話題にするには微妙すぎる気もして、まずは一般的なことに触れた。
「歯医者さんの受付なさってるんですね」
「はい、3年くらいやってます」
「忙しいですか? 僕の職場近くにも歯医者さんあるんですけど、毎晩、遅くまでやってるので」
「そうでもないですよ。病院自体は遅くまでやってますけど、受付は交代制なので。でも夕方は忙しいですね」
「職場に男性は少ない感じですか?」
過ぎていく時間も気になって、僕は勇気を出して話題を深めた。
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