婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

014. 婚活パーティー【体験】初参加(12)

アピール送信が終わって隣を見ると、Aさんはグラスに口をつけていた。

 

ちゃちゃっと済ませたのだろう。

 

いっぱい送りましたか? と訊いてみたかったが、いくら親切なAさんにでもさすがにためらわれた。

 

代わりに、「いい人はいましたか?」と尋ねる。

 

これも聞きようによってはデリケートな問いだが、彼女と最初に話した「いい人はなかなかいない」という話題に続くものだし、なによりここはそういう場所だ。

 

一巡して初めの個室に戻ってきてからは、そのあたりの男女の匂いがより濃密になっている。

 

彼女は僕の問いに、「うーん」とはにかみながら首を傾げた。

 

どちらにも取れるリアクション。

 

人に言いたくないか、自分でもよくわからないか、相手の反応次第といったところか。

 

ふいに「どうしてたか?」と逆に訊かれて、実はかなり焦った。

 

いや~と笑ってごまかしたい衝動に駆られたが、親切にしてくれたAさんには正直でいたい。

 

「いいなーと思う人はいたけど、付き合うとか、その先のこととか、よくわかりません」

 

Aさんは共感してくれたように、首を数度、縦に振った。

 

「数分、話しただけじゃわかりませんよね」

「やっぱりAさんでもそうですか?」

「もちろんです」

 

Aさんへの好感度が増したところで、再びアナウンスが響く。

 

「アピールの結果でました! 続いてカップリング希望に移ります!」

 

 

<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
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