婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

015. 婚活パーティー【体験】初参加(13)

アナウンスの開始とともに、場内のざわめきが消える。

 

僕とAさんも会話を中断して、手元のタブレットを操作した。

 

すぐに画面が更新されて、アピール結果が表示される。

 

自分が送ったのは3人で、送ってくれたのは……

 

7人だった。

 

ゼロではなかったことにホッとしつつ、もらった内訳をすばやく確認する。

 

最初に目に入ったのはAさん。

 

ありがとうございます!

 

そしてCさんからも。

 

同じくありがとう!

 

しかし……

 

Bさんからはなかった。

 

外見の好みがピカイチだっただけに、残念な気持ちがせり上がってくる。

 

無意識のうちに個室でのやりとりを頭の中で反芻したが、良い感触は変わらない。

 

つまり、彼女は僕に合わせて愛想よく対応してくれただけだったのだ。

 

歯科の受付にやってきた外来患者に接するように。

 

どうせ初めから釣り合ってなかったしな――

 

諦めの決心をしていると、隣のAさんが恥ずかしそうにお辞儀をした。

 

「ありがとうございました」

 

一瞬、その意味を考えて、僕が送ったアピールのことだと気付く。

 

そうか、そうだよな、普通はお礼をするよな、隣の席にいたら。

 

「こちらこそです。初めて送ってもらえて嬉しいです。ありがとうございました」

 

自分の方から言うべきだったと後悔して、その分、心を込めて感謝を述べる。

 

そして、最終のカップリング希望を誰に出すか、さらなる悩みどころがやってきた。

 

 

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