アナウンスの開始とともに、場内のざわめきが消える。
僕とAさんも会話を中断して、手元のタブレットを操作した。
すぐに画面が更新されて、アピール結果が表示される。
自分が送ったのは3人で、送ってくれたのは……
7人だった。
ゼロではなかったことにホッとしつつ、もらった内訳をすばやく確認する。
最初に目に入ったのはAさん。
ありがとうございます!
そしてCさんからも。
同じくありがとう!
しかし……
Bさんからはなかった。
外見の好みがピカイチだっただけに、残念な気持ちがせり上がってくる。
無意識のうちに個室でのやりとりを頭の中で反芻したが、良い感触は変わらない。
つまり、彼女は僕に合わせて愛想よく対応してくれただけだったのだ。
歯科の受付にやってきた外来患者に接するように。
どうせ初めから釣り合ってなかったしな――
諦めの決心をしていると、隣のAさんが恥ずかしそうにお辞儀をした。
「ありがとうございました」
一瞬、その意味を考えて、僕が送ったアピールのことだと気付く。
そうか、そうだよな、普通はお礼をするよな、隣の席にいたら。
「こちらこそです。初めて送ってもらえて嬉しいです。ありがとうございました」
自分の方から言うべきだったと後悔して、その分、心を込めて感謝を述べる。
そして、最終のカップリング希望を誰に出すか、さらなる悩みどころがやってきた。
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