スタッフに案内されて最初の個室に入ると、すでに相席の女性が座っていた。
「こんにちは」
「こんにちは」
ぱっと見は同年代のアラフォーといったところ。
黒くて短く整えられた髪型に、控えめなイヤリング。
なんとなく専門職を思わせる。
早めに到着して事前に参加女性のプロフィールを確認する僕よりも早く来るとは、教師っぽくもある。
「曇り空ですけど、雨、降らなきゃいいですね」
「ええ……」
とりあえずなにか会話を、と思ってありきたりな話題を持ち出すが、反応は薄く、すぐに手元のタブレットに視線を落とした。
僕のプロフィールにはすでに「興味なし」の烙印が押されているのかもしれない。
まあ、それはそれでわからなくもない。
時間に余裕のないパーティーの中で、よりめぼしい相手に時間を割く。
僕が早めに会場に来て参加女性のプロフィールを確認するのも、同じ理由といえる。
彼女はより端的にそれを行っているだけ……
こと婚活においては、こういう人の方がいい結果を出すのかもしれない。
だったらこちらも遠慮なく、とタブレットを操作してほどなく、ある参加女性のページでピタリと手が止まった。
プロフィール全体から漂ってくる「気の強い美人」という雰囲気。
4桁に王手をかけた年収。
そして「猫」という単語。
もしかして……
暗雲が立ち込めるのを感じながら、隣の女性とのトークタイムを終えた僕は、すっかり重たくなった腰を上げた。
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