「お仕事は……雑貨屋さん、なんですね」
「はい、かわい目の小物とか、普通に日用品とか」
「100円ショップとは違うんですよね?」
「違うくもないです。ショッピングモールに入ってるんですけど、同じフロアに百均もありますから。けっこう似てるかも」
屈託ない笑顔に、こちらも釣られて笑顔になる。
少し懐かしいような、清々しい春風のような……
こんな気持ちになったのはいつ以来だろう。
社会の不条理に身を晒し、日々の生活にまみれ、異性とのやりとりに右往左往する……
もう一度この子くらいの年からやり直せたら、と思ったところで、頭を振る。
そうじゃない。
自分のことはともかく、8番さんだって働く社会人として、様々な苦労を重ねているに違いない。
「雑貨屋の店員さんも大変ですよね」
「そうですね。でも私、店員じゃなく店長なので、お店全体を見なきゃいけなくて……」
なるほど、26とはいえ、その業界では一人前とされる年齢なのだろう。
そういえば知り合いの洋菓子屋さんのスタッフも、二十歳そこそこで店長に就いていた。
ただし、8番さんのプロフィールの年収欄に書かれている数字は、一般的な小売業の店員さんと大差はない。
厳しい環境で精一杯働く姿が目に浮かんだ。
そして、たまの休みの日にはこうして婚活パーティーに足を運び、将来のパートナーを探す……
僕の思考はいくつかの選択肢を見つけた。
<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
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