「猫、飼ってるんですね」
「ええ」
「可愛いですよね」
「保護猫だったのを引き取って」
「なるほど」
相槌を打ちつつ、僕はチラッと7番さんの横顔を盗み見た。
彼女の意外な優しさに反応してしまったからだ。
マンガなどでよくある、一見冷たそうな人が雨に打たれる子猫を猫を放っておけずに連れて帰る、というアレだ。
僕も動物を好きなだけに、保護猫を可哀そうと思うだけでなく実際に引き取った7番さんにリスペクトを覚える。
なかなか、好きなだけではできないことだ。
仕事ができて、それなりに美人さんで、その上保護猫を引き取って育てる優しさと気概がある……
リスペクトと同時に親しみも湧いてきて、心なしか僕の口ぶりはカジュアルになった。
「その猫ちゃん、幸せだな。7番さんに助けてもらって」
「そうだといいんだけど」
「僕もペットがいるけど、やっぱり飼い主にも当たり外れがあるでしょうし」
「かもしれませんね」
しかし彼女のそっけない応答はさほど変化を見せなかった。
なんとか盛り上げようと、別の話題で攻めてみる。
「お仕事、企画ってありますけど。企画部とかですか?」
「まあ、そんなところです」
「企画を出したり?」
「ええ。企画書書いて、提出して、会議して、また書いて」
「へぇ~、すごいですね……」
「……」
そこで手詰まりになった。
彼女から僕への質問はゼロ。
猫の件でこちらの興味は増したけど、彼女からの関心を引き出すことはできなかった。
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