そこまで考えて、チラッと隣を見た。
フォーマルな服装の4番さんは、慎重な手付きでグラスを口に運んでいる。
着ているものを汚さないように気をつけているのだろう。
仕事もできそうな彼女の場合、問題はより複雑かもしれない。
職場を腰かけ程度にしか思っていなければ、婚活パーティーにももっと陽気に臨んで、あっけらかんとした口調で「私、早くいい男と結婚して子供産みたいんです」と甘えればいい。
男はそんな女性を可愛いと思うから、魅力さえあれば事がうまく運ぶ可能性だってある。
しかし4番さんからは、本当はバリバリ仕事をこなせるはずだという自負と悔しさみたいな濃密な空気も伝わってくる。
そしてお金も欲しい。
年齢を考えて結婚もしたい。
長年かこってきた不満を晴らし、世間を見返す手段としてハイステ男との結婚を目指しているのだとすれば……
少し哀れだ。
僭越だけど。
僕に何かできることは、と、そんな気持ちになってみても、あるはずがなかった。
ハイステじゃないから彼女の希望に沿うことができない、というだけでなく、諸々の事情を抜きにしても、シンプルに彼女が自分のタイプではなかった。
これはしょうがないこと。
そして彼女にしてみても、僕のことはタイプでもなんでもないのだろう。
その後の会話の端々から自分に向けられた反感を感じ取りながら、トークタイムを終えて席を立った。
申し訳なさが残る晴れない気持ちのまま、それでも彼女の幸せを願った。
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