「でも残業がないって派遣さんの特権というか、いいことだと思います」
とっさのフォローだったが、明らかなミス。
派遣であることに不満を抱いている4番さんにとって、屈辱的にすら思える言葉だったかもしれない。
「あ、いえ、うちにも派遣さんいますけど、仕事終わりは遊びに行ったりしてとても充実してるみたいですし、僕も残業ばっかりで、正直働くのが嫌になったりで……」
隣から苦笑とも自嘲ともつかない低い笑いの振動が響く。
「でも派遣の給料なので、残業はむしろしたいです。でもさせてくれないんですよ」
事情は承知している。
僕の職場の派遣さんは特殊なスキルもあって時給2400円。
時給だけなら正直、社員と比べてもそれほど遜色ない。
ただ彼女たちはそこから派遣元に3割引かれるので、計算できるのは1700円そこそこ。
それで残業ができないとなると、都内の1人暮らしでなんとか生計が立つ程度だろう。
婚活資金だって馬鹿にならない。
というか、他を削って婚活費用に充ててるのかもしれない。
さらに、その奥底にある苦悩も理解できる。
ある程度の年齢に達し、仕事と結婚の問題に板挟みにされる辛さ。
本来、別々の問題であるその2つが、同時に解決を求めてくる。
職場ではそれなりの地位に立っているのが普通で、プライベートでも結婚しているのが一般的。
アラフォーで未婚の派遣女性にとって、世間の風当たりは相当強いだろう。
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