婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

094. 婚活パーティー【体験】恵比寿でキレイ系の女性編(5)

「失礼します。こんにちは」

「あ、こんにちは」

 

僕が挨拶をすると、4番さんは面接官にするように、すっと背筋を伸ばして挨拶を返してくれた。

 

膝の上で折りたたんだ指先が小さなポーチを掴んでいて、少しの緊張が伝わってくる。

 

フォーマルな服装と可愛らしいポーチのアンバランスさが、むしろ表裏のなさを感じさせて好感が持てた。

 

真面目でしっかり者の学級委員タイプ。

 

それだけにパーティーにも真剣な気持ちで参加しているに違いない。

 

こちらも真剣で向かわないと礼を失するな……

 

そう思った僕は、タブレットでしっかりと4番さんのプロフィールを確認する時間を稼ぐため、何気ない話題を振った。

 

「普段はお仕事、忙しいですか?」

「派遣社員なんです。あまり忙しくなくて、残業なんかもないです」

「あっ、そうなんですね」

 

一瞬、僕の指が止まった。

 

派遣社員であることは別に珍しくないし、変に意識する必要もないことだが、4番さんの声に苛立ちを感じたからだ。

 

多少、投げやりな言い方にも聞こえる。

 

現状に満足していないのだろうか……

 

この点をフォローすべきか、それとも話題を変えるべきか、迷いが生じた。

 

別の話題といっても、まだプロフィールの確認もできてなくて、場を和ませるようなネタが即座に出てこない。

 

自分の未熟さを呪いつつ、フォローに回った。

 

しかしこれがまずかった。

 

 

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