「失礼します。こんにちは」
「あ、こんにちは」
僕が挨拶をすると、4番さんは面接官にするように、すっと背筋を伸ばして挨拶を返してくれた。
膝の上で折りたたんだ指先が小さなポーチを掴んでいて、少しの緊張が伝わってくる。
フォーマルな服装と可愛らしいポーチのアンバランスさが、むしろ表裏のなさを感じさせて好感が持てた。
真面目でしっかり者の学級委員タイプ。
それだけにパーティーにも真剣な気持ちで参加しているに違いない。
こちらも真剣で向かわないと礼を失するな……
そう思った僕は、タブレットでしっかりと4番さんのプロフィールを確認する時間を稼ぐため、何気ない話題を振った。
「普段はお仕事、忙しいですか?」
「派遣社員なんです。あまり忙しくなくて、残業なんかもないです」
「あっ、そうなんですね」
一瞬、僕の指が止まった。
派遣社員であることは別に珍しくないし、変に意識する必要もないことだが、4番さんの声に苛立ちを感じたからだ。
多少、投げやりな言い方にも聞こえる。
現状に満足していないのだろうか……
この点をフォローすべきか、それとも話題を変えるべきか、迷いが生じた。
別の話題といっても、まだプロフィールの確認もできてなくて、場を和ませるようなネタが即座に出てこない。
自分の未熟さを呪いつつ、フォローに回った。
しかしこれがまずかった。
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