最初の個室で相席した女性は、恰幅のいい地方公務員の方だった。
今回のパーティーテーマである「キレイ系」に該当するかどうかは微妙だけど、美の尺度は千差万別ということで納得はいく。
それより困ったのは、たいして緊張している様子でもないのに、会話が進まないことだった。
トークタイムが始まって以後、タブレットでプロフィールを見ながら、書かれていることの上から順というように質問を繰り出すが、どれにも食いついてこない。
機嫌が悪いのかな。
それともよっぽど僕のことが気に入らないのかな……
このような場合、職業についての話題が一番無難で、受け答えのマニュアルらしきものが通用しやすいが、「公務員」というわかっているようでわかってない、自分にとって馴染みの薄い職業が大きな壁になってしまった。
普通だったら、それはどういうお仕事ですか、と訊けばいいところ、公務員の仕事内容を知らないというのは、自分の世間知の低さを知らしめてしまうようでためらわれた。
グラスを手に取って、お茶を飲む動作に紛らわせるように腕時計を盗み見る。
残り時間は2分くらい。
男女16対16のパーティーだったら通常、1人あたり5分もなく、もっと長く話したいのにと思う一方で、相手との会話が弾まない場合にはその短さが逆に助けになる。
ごめんなさい、あなたが理想とするような男ではなくて……次に来る人に期待してください。
そう心の中で謝罪してから、今日食べた昼食の話題で残り2分を潰した。
<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
PARTY☆PARTY【無料会員登録】
にほんブログ村
↑ポチっと励みになります!