数名とトークタイムを終えて、いよいよ8番の席に向かう。
例の客室乗務員がいる席だ。
「失礼します」
「こんにちは!」
彼女は最高の笑顔で迎えてくれた後、僕を正面に見据えたまま、しばらく視線を外さなかった。
見まごうことのない美しさ。
僕はその間、魂を絡め取られでもしたかのように動けなかった。
10秒くらいあったかもしれない。
はっと我に返って、女性を凝視してしまって失礼だったな、と思ったが、彼女は笑顔のまま。
……これが彼女一流のオモテナシだろうか。
その破棄力に世の中の9割5分の男性は骨抜きにされるに違いない。
僕はむしろ用心して会話に臨んだ。
「お仕事は客室乗務員なんですね」
「はい」
香水の匂いが淡く漂ってきて、彼女がこころもち、体をこちらに寄せたのがわかった。
思わず視線を泳がせると、綺麗に揃えられた両膝がちらついて、慌てて視線を戻す。
香水がより強くなって、その分、混乱した。
「あ、英会話、できるんですね」
彼女が僕のプロフィールから察したことを口にする。
「日常会話レベルですけど。○○さんはもちろん、英会話なんてお手のものですよね」
「日常会話レベルですけど」
からかうような口調が、僕の気持ちをさらに締め上げた。
必死にそれに抗っていると、ある言葉が脳裏を掠める。
魔性の女。
そのなまめかしい態度は、意図してなのか、してないのか。
それでいて職業柄か清潔感も混じっているから、もう手に負えそうにない。
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