清潔な媚態。
周りにいないタイプだった。
CAさんだし、さぞかしモテてきたことだろう。
なのになぜ……
婚活パーティーなのか。
同じ婚活パーティーでも、ハイスペックな男性が集まる企画ならまだわかる。
でも今回はそうじゃない。
多少の条件はあっても、年収は平均で足りる。
ということは……
案外、質素倹約をよしとする賢妻タイプか。
いやいや、そう思わせること自体が男をおびき寄せるエサで。
気がついたら身ぐるみ剝がされて無一文。
だったらハイスぺ男子の方がより効率的な気が……
そんなことを考えている最中にも、8番さんとの会話が進む。
この時点で主導権はすっかり彼女に握られていた。
「ペット飼ってるんですね。動物、好きなんですか?」
「ええ、好きですね」
「犬と猫、どっち派ですか?」
「どちらかといえば、僕は犬です。小さい頃から傍にいたから」
「そうなんですね」
彼女の指が動いた。
僕の足に触れたようで、触れてないかもしれない。
僕は困惑をごまかすために、「○○さんはどっち派ですか?」と訊く。
「どっちだと思います?」
「……猫?」
「フフ」
8番さんは正面に向き直って、そっとスマホをタップした。
メモ欄に僕の評価をつけたのかもしれない。
「お時間です! 次の席にお移り下さい!」
トークタイムが終わる時間まで秒単位で測っていたかのような彼女に、僕はなんとか笑顔を繕って「ありがとうございました」とお礼を言った。
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