婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

086. 婚活パーティー【体験】渋谷で憧れの職業編(6)

清潔な媚態。

 

周りにいないタイプだった。

 

CAさんだし、さぞかしモテてきたことだろう。

 

なのになぜ……

 

婚活パーティーなのか。

 

同じ婚活パーティーでも、ハイスペックな男性が集まる企画ならまだわかる。

 

でも今回はそうじゃない。

 

多少の条件はあっても、年収は平均で足りる。

 

ということは……

 

案外、質素倹約をよしとする賢妻タイプか。

 

いやいや、そう思わせること自体が男をおびき寄せるエサで。

 

気がついたら身ぐるみ剝がされて無一文。

 

だったらハイスぺ男子の方がより効率的な気が……

 

そんなことを考えている最中にも、8番さんとの会話が進む。

 

この時点で主導権はすっかり彼女に握られていた。

 

「ペット飼ってるんですね。動物、好きなんですか?」

「ええ、好きですね」

「犬と猫、どっち派ですか?」

「どちらかといえば、僕は犬です。小さい頃から傍にいたから」

「そうなんですね」

 

彼女の指が動いた。

僕の足に触れたようで、触れてないかもしれない。

僕は困惑をごまかすために、「○○さんはどっち派ですか?」と訊く。

 

「どっちだと思います?」

「……猫?」

「フフ」

 

8番さんは正面に向き直って、そっとスマホをタップした。

 

メモ欄に僕の評価をつけたのかもしれない。

 

「お時間です! 次の席にお移り下さい!」

 

トークタイムが終わる時間まで秒単位で測っていたかのような彼女に、僕はなんとか笑顔を繕って「ありがとうございました」とお礼を言った。

 

 

<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
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