やっぱりな、としか感想が出てこない。
でもこれで、こちらが好意を持っていることは伝わったはず。
万にひとつの奇跡を求めて、4番さんをカップル希望の相手に選ぶ。
そして5番さんは……
ちらっと横を見ると、興奮気味に喜ぶ姿。
意中の人からいいなアピールをもらって、カップリングへの期待を高めているのだろう。
それでいい。
彼女に執着してるわけじゃない僕は、4番さんだけを選んだまま、カップル希望を送信した。
今日はダメかな。
まぁ社会見学できたしよしとしよう。
諦めの心境になりかけた時、カップル希望の結果を知らせるアナウンスが流れた。
タブレットを確認すると、すかさず「成立せず」の文字が現れる。
お隣さんは……うまくいったらしいことが、そのゆるんだ表情からわかった。
僕はむしろ優しい気持ちになって、ためらいなく席を後にする。
そして、帰る前に同じ階にあるトイレに立ち寄ったことが、このパーティーの後味を悪いものにした。
用を済ませてビルの1階に降り立った僕は、その玄関を出たところで、パーティー参加者だった男性と4番さんが落ち合ってる現場を目撃したのだ。
あれ? アニメネタに辟易して不機嫌になってた4番さんがオタク男性とカップリングしてる?
……いや、違うな。
あの男性はおそらく、彼女がオタクじゃないことを早い段階で見抜いて、もっと一般的な話題で盛り上がることに成功したに違いない。
そういえば、彼女のプロフィールの趣味の欄には「お酒」と書いてあったのを思い出す。
きっと、お洒落なお店を知ってるので、おいしいお酒でも飲みながらゆっくり話しましょうとかなんとか言って、彼女をその気にさせて……
夕暮れの中、ある種の敗北感に浸りながら、僕は池袋駅までの道を歩いた。
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