パーティーも半分ほど終わって、僕は10番の部屋へと向かう。
その時点でトークタイムを一緒した女性は、良くも悪くもプロフィール通りという印象。
男性がそうであるように、女性もそれなりに年齢を重ねると、軸がぶれないというか、振り幅が小さくなってくるのだろう。
「こんにちは」
「こんにちは」
笑顔で迎えてくれた10番さんは、気立ての良さそうな美人さんだった。
年齢は年上の45歳。
バツ1であることはわかっているが、その理由が妙に気になってしまうほどに綺麗だった。
男から三行半を突き付けられたってことはなさそうだな。
勝手な空想の中でもつい贔屓してしまう。
離婚の原因は……なんて質問から会話を始めるわけにもいかず、かといって今日は暑いですね、なんてしらじらしいことも言いたくなかったので、「お綺麗ですね」と素直な感想を口にした。
「ありがとうございます」
うむ、言われ慣れている余裕の返し。
「パーティーでもモテモテでしょ?」
大人の女性の余裕に甘えて、こちらも軽口をたたく。
すると……
「でも私、バツがあるから」
「そういうのは他人にはわからない事情があるでしょうし、少なくとも僕は全然気にならないですよ」
「本当に?」
「はい」
「子供がいても?」
……即答できなかった。
きっと10番さんは、僕の方が年下だから、遠慮する意味で疑問形にしたのだろう。
もし相手が同い年や年上だったら、誰に憚ることなく「子供がいる」と言えたと思う。
「それ自体が気になることはないです」
彼女との距離が離れていくのが悲しくて、つい嘘をついた。
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