婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

069. 婚活パーティー【体験】真夏の新宿ラウンジをハシゴして(13)

パーティーも半分ほど終わって、僕は10番の部屋へと向かう。

 

その時点でトークタイムを一緒した女性は、良くも悪くもプロフィール通りという印象。

 

男性がそうであるように、女性もそれなりに年齢を重ねると、軸がぶれないというか、振り幅が小さくなってくるのだろう。

 

「こんにちは」

「こんにちは」

 

笑顔で迎えてくれた10番さんは、気立ての良さそうな美人さんだった。

 

年齢は年上の45歳。

 

バツ1であることはわかっているが、その理由が妙に気になってしまうほどに綺麗だった。

 

男から三行半を突き付けられたってことはなさそうだな。

 

勝手な空想の中でもつい贔屓してしまう。

 

離婚の原因は……なんて質問から会話を始めるわけにもいかず、かといって今日は暑いですね、なんてしらじらしいことも言いたくなかったので、「お綺麗ですね」と素直な感想を口にした。

 

「ありがとうございます」

 

うむ、言われ慣れている余裕の返し。

 

「パーティーでもモテモテでしょ?」

 

大人の女性の余裕に甘えて、こちらも軽口をたたく。

 

すると……

 

「でも私、バツがあるから」

「そういうのは他人にはわからない事情があるでしょうし、少なくとも僕は全然気にならないですよ」

「本当に?」

「はい」

「子供がいても?」

 

……即答できなかった。

 

きっと10番さんは、僕の方が年下だから、遠慮する意味で疑問形にしたのだろう。

 

もし相手が同い年や年上だったら、誰に憚ることなく「子供がいる」と言えたと思う。

 

「それ自体が気になることはないです」

 

彼女との距離が離れていくのが悲しくて、つい嘘をついた。  

 

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