「お子さん、おいくつなんですか?」
「高校生」
「もう大きいんですね」
真ん中をとって高校2年とすれば大体17歳で、10番さんが45歳だから、28歳のときの子供になる。
ごくごく普通のことだろう。
むしろ少しでも驚いた自分の方が幼くて、ずいぶん甘ったるい時間を過ごして来たのだと思い知らさせるようだ。
世間並の経験値がない。
薄々は気付いていたけど、少しの恐怖と恥ずかしさが込み上げてきた。
「早く自立したいって言ってるから、好きにさせて、私もそうしようかなって」
それで再婚ですか、と口に出そうになって、やめた。
婚活パーティーに来ている以上、それは訊くまでもないことで、これまでの苦労とこの先の不安を思えば、新たなパートナーを求めるのは当然だろう。
第2の人生のための結婚。
それも正しい形だ。
「彼女とかもいないの?」
ふいに10番さんから訊かれて、戸惑った。
「ええ。フラれました。それで思うところもあって、パーティーに参加し始めました」
「そうなの。でも、まだ若いんだから大丈夫よ」
あまり大丈夫ではないけど……
その言葉は、僕を今後の交際相手の対象として見ていない証拠だろう。
再び距離が開いたように感じて、それを取り戻すように質問する。
「彼氏とかもいなかったんですか?」
「うーん、いたこともあったかな。大人の関係、とかね」
「ですよね……ははは」
失敗だった。
彼女がより遠い存在に感じられた。
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