いよいよ12番の個室だ。
事前にプロフィールを見た段階でいいなと思っていた2人のうちの1人。
もう1人の7番さんは手応えが皆無だったし、他の席の人にも特に惹かれなかった。
12番の後にも13、14、15、16と4人残っているが、なんとなく期待できない。
当たりだといいな……
ガチャを引く時のような心境で中に入った。
「こんにちは」
12番のEさんは、同じ言葉を返しつつ、お辞儀をしてくれた。
でもそれは、挨拶をしたというよりも、視線が合うのを避けた感じ。
笑顔が少し引きつっていて、頬も赤みを帯びている。
一見して、慣れてないのがわかった。
32歳という、相手の僕よりもけっこうな年下であることも、その一因かもしれない。
さて、どういこうかな……
少しでも場の空気が固くなってしまうと、緊張と沈黙の闇に埋もれて二度と顔を出さなくなるタイプだ。
……やはりスイーツネタかな。
改めて彼女のプロフィールを思い出しながら考える。
甘い物なら緊張を溶かしてくれるだろう。
少なくとも仕事や日常ネタと違って、深刻な方向に進む心配はない。
なるべく優しく、親しみやすさを心がけて言葉を発するのだ。
「スイーツ、お好きなんですね」
そっと顔を覗くと、彼女は「はい」と小声で首肯した。
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