婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

042. 婚活パーティー【体験】結婚と恋愛と自問(2)

「こんにちは」

「はじめまして」

 

7番の個室に入って、オーソドックスなやりとりが始まる。

 

たまに、挨拶をするより早く相手の女性から特殊な反応をもらうことがあるが、実はこれはいい兆候で、その人なりに興味を示してくれている証拠になる。

 

その場で特に気付いたことがあったり、僕のプロフィールからなにかしら感じ取っている場合だ。

 

こちらがそうであるように、女性側だって事前に参加者のプロフィールをよく見ているのだ。

 

ここでは普通の挨拶から始まったので、その後の会話をリードするのは僕の役目。

 

「舞台お好きなんですね」

「ええ」

「最近観た中で、面白かったのはありますか?」

 

予定通りの順序で話を進めると、「最近はあまり……」と気乗りしなそうな声が返ってきた。

 

意外に思いつつ、最近はあまり観れてないのか、それとも観たけど面白いのがなかったのか、判断がつきかねたので、「好きな舞台はありますか?」とやや方向をずらしてみた。

 

すると、ミュージカルのレミゼが好き、とポツリと言った。

 

『レ・ミゼラブル』なら自分も好きでよく知っている。

 

内容について触れていくと、そうそう、と反応はくれたものの、社交辞令の域をでるものではなかった。

 

どうやら僕のことはお気に召さないらしい。

 

少しだけ悲しくなったが、これはいい悪いではない。

 

どうしても相手に興味が湧かないことは、彼女に限らず、僕を含めた参加者全員にとってあり得ることだ。

 

よくあることさ、と思って、次の席に移る。

 

 

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