「私はまあまあです。忙しいですか?」
「たまに残業があって、遅くなったりします。あまりしないようにしてるんだけど、上司がしてるとどうしても」
「私もです」
この話題もたいして盛り上がりそうになかった。
こちらの職種や業務内容を具体的に話して、なにか質問でもしてくれればと思ったが、大きな反応はない。
まだしも「昇給しますか?」くらい訊いてくれた方が、笑えるシチュエーションになるのに。
……もしかして、僕に興味がない?
いや、少なくとも今の段階でそれはないはずだ。
35歳で婚活パーティーに参加する女性。
そこでカップリングした相手とお茶をしている。
その目的は相手の情報収集に他ならないはずで。
つまり彼女は遠慮気味な性格の上に緊張していて、訊きたいことも訊けずにいるのだろう。
そういう状況下でも、なんとか笑顔を繕う彼女から、会話を続けようとする必死さは伝わってくる。
それに応えなくては。
僕だって彼女の別の側面をもっと知らなきゃいけない。
「残業なくて早く帰宅したとき、とくにやってることはありますか?」
「そうですね……」
「あ、たとえば料理とか」
「自炊してそうって言われるけど、実はそうでもなくて」
「外食が多いんですか?」
「まあ……料理、しますか?」
「いや、僕は全然」
「でも私、たまに自分のおやつを作ったりはしますよ」
「へえ、いいですね。甘党とか?」
「好きですね」
「実は僕も」
いくぶん、笑える雰囲気になった。
甘いのが好きという共通点も発見した。
しかし……
少し無理をしているな、と互いに感じていたかもしれない。
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