Dさんと並んで歩きつつ、カフェを探した。
いくつか心当たりはあったが、土曜の夕方ということで、混雑が予想される。
「どこも混んでるかもしれませんね」
「そうですね」
「お茶で大丈夫ですか? 食事でしたら少し歩けば知ってますけど」
「あ、お茶でいいです。そんなに時間もないので」
駅前の繁華街だけにカフェや喫茶店は数多くあり、選ばなければ入れる店はあるだろう。
少し歩いたところで、通りに面した喫茶店の窓から店内の空席が見えた。
「ここでいいですか?」
「はい」
お洒落とは言い難い店構えだったが、「そんなに時間もないので」というDさんの言葉が、店を選ぶ難易度を下げてくれていた。
そして、その言葉が軽くしてくれたのは、それだけじゃなかった。
どうしても話が嚙み合わなかったら、早めに切り上げる理由にもなり得る。
僕は喫茶店のドアを開けながら、ふとDさんの横顔を覗いた。
もしかしたらDさんは、自分のためにそう言ったのだろうか。
内心では僕と同種の不安を抱いていて、僕と合いそうになければすぐに終了させられるように。
……いや、初対面に等しい男性に対して、予防線を張っておくのはむしろ当然だろう。
案外、カップリング経験も豊富なのかな?
彼女の過去が気になり出したところで、店員さんが注文を取りに来た。
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