婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

032. 婚活パーティー【体験】初カップリング こだわりを捨てて(9)

Dさんと並んで歩きつつ、カフェを探した。

 

いくつか心当たりはあったが、土曜の夕方ということで、混雑が予想される。

 

「どこも混んでるかもしれませんね」

「そうですね」

「お茶で大丈夫ですか? 食事でしたら少し歩けば知ってますけど」

「あ、お茶でいいです。そんなに時間もないので」

 

駅前の繁華街だけにカフェや喫茶店は数多くあり、選ばなければ入れる店はあるだろう。

 

少し歩いたところで、通りに面した喫茶店の窓から店内の空席が見えた。

 

「ここでいいですか?」

「はい」

 

お洒落とは言い難い店構えだったが、「そんなに時間もないので」というDさんの言葉が、店を選ぶ難易度を下げてくれていた。

 

そして、その言葉が軽くしてくれたのは、それだけじゃなかった。

 

どうしても話が嚙み合わなかったら、早めに切り上げる理由にもなり得る。

 

僕は喫茶店のドアを開けながら、ふとDさんの横顔を覗いた。

 

もしかしたらDさんは、自分のためにそう言ったのだろうか。

 

内心では僕と同種の不安を抱いていて、僕と合いそうになければすぐに終了させられるように。

 

……いや、初対面に等しい男性に対して、予防線を張っておくのはむしろ当然だろう。

 

案外、カップリング経験も豊富なのかな?

 

彼女の過去が気になり出したところで、店員さんが注文を取りに来た。

 

 

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