婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

053. 婚活パーティー【体験】結婚と恋愛と自問(13)

二人して、照れたような、可笑しいような、そんな仕草で視線を交わし合う。

 

「うまく行きませんね」

「本当に。結婚したいのに」

 

諦めにも似た笑みを漏らすEさんだったが、結婚、と自ら口にした彼女からは、俄然、強い「女」の気配が伝わってきた。

 

それは色気にも近いが、もっと現実的で、いい男をつかまえて結婚して子供を産み育ててよりよい老後を迎える、というような希望というか気迫がこもっている空気。

 

匂いまでしてきそうだ。

 

そんな彼女が魅力的に思えた一方で、結婚を重く捉えがちであることを自覚している僕は、内心、たじろぐ。

 

本気のEさんを受け止められるだろうか。

 

そこまで彼女のことを想えるだろうか。

 

お付き合いに発展したとして、それはやはり結婚が前提だろうか。

 

もしそうなら、フルーツパフェを一緒に食べる景色さえ、いい思い出として後から振り返るための1枚の写真に過ぎないのだろうか。

 

……まだ、よくわからないな。

 

もう少し、二人で過ごす時間が必要だと思った。

 

第一、Eさんの気持ちだってわかっていない。

 

すでにその心の内では、結婚という物差しで僕を測り、落第点を付け終わっているかもしれないのだ。

 

そうだとしても、とりあえず、今やるべきことは……

 

EさんがLINE交換に応じてくれたことにひとまず安堵して、新宿駅までの道を二人で歩いた。  

 

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