「そういえばランニングが趣味なんですか」
そう言ってから僕は、ちょっとまずかったかな、と思った。
さっきEさんが「でも最近、太ってきちゃって」と顔を赤らめたことを思い出したからだ。
ダイエットの一環としてランニングをしているのかもしれない――
彼女の答えは、悪い予想が当たってしまった。
「矛盾してるけど。甘いもの食べた後に走って、また食べるって。悪循環」
「それはそれで健康的な気も」
埒もないことを言ってしまって、「どこを走るんですか?」と慌てて繕う。
「皇居ランとか?」
「本格的なのじゃなくて、家の近所を」
「公園まで行ったりですか?」
「そうです。散歩かも」
「ははは……」
この話題はこれ以上の発展をみなかった。
彼女から何か訊いてくることを願ったが、うつむいてスプーンの先を見たまま。
僕に興味がないのかな……それとも人に何かを訊いたりするのが苦手なのかな……でも職場では同僚と仲良くやってるって話だし……
「パーティーですけど、ちょくちょく参加してるんですか?」
投げやりな気持ちになったわけではないが、ネタに詰まってしまったのをいいことに、より本質に繋がる質問をしてみた。
○○の出身なんですね、なんて普通の話題を振っても、そうです、と返されて、そのまましぼんでいくのが目に見えていたから。
「参加してます。結婚したいですから」
婚活パーティーに参加している女性として当然の答え。
にもかかわらず、はっきりとそのフレーズが彼女の口から飛び出したことに、意表を突かれた。
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