いや、よかったのはもちろん、僕だってそうだけど……
「じゃ、じゃあ、とりあえず一階の玄関前で待ってますね」
「わかりました」
場内アナウンスに従って、会場を退出してエレベーターに乗る。
女性が降りてくるまでには少し時間があるので、僕はお手洗いに立ち寄って身だしなみを整えた。
もしかして5番さんは、1番さんと映画に行くことよりも僕とのカップリングを優先してくれたのだろうか。
それとも、どちらかがカップリングしたら映画はなしにするという協定を事前に締結していたのか。
そんなことを考えながら、ビルの玄関で待つこと5分。
エレベーターを降りた5番さんが小走りに駆けてくる。
「お待たせしました」
「いえ、全然」
現在時刻は14時40分。
「よかったらお茶でもしますか? 食事でもいいですけど」
「お茶にします。でも、そんなに時間なくて……」
その言葉に疑惑が蘇る。
「あ、そうなんですね。どのくらい大丈夫ですか?」
「できて30分。すみません……」
なるほど、30分なら待てる。
どこかで1番さんと落ち合う約束でもしているのだろう。
多少の不快さを感じはしたが、別に5番さんは悪いことをしているわけではない。
表情を消すように努めて、東京駅構内のカフェに向かった。
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