婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

117. 婚活パーティー【体験】友達参加の片方とカップリング(3)

「遅れてすみませんでしたぁ」

 

三十代中頃の5番さんは、おどけない口調でそう言った。

 

どちらかといえば童顔で、二十代後半くらいに見える。

 

「全然大丈夫です。日曜だけあって、電車も混んでましたよね」

「あ、混んでました! でも遅れちゃったのは、乗り換えがうまくいかなくて……」

「なるほど、遠くからいらしたんですか?」

「神奈川です」

 

どこのパーティー会場でも東京近県からの参加者は一定数いるが、とりわけ東京駅を擁す東京ラウンジは多い。

 

普段の通勤で使っている人もいれば、パーティー参加のためだけにやってくる人もいる。

 

カップリングして付き合うことになった場合、いわゆる遠距離恋愛とまではいかなくても、多少の物理的な隔たりは生じてしまうかもしれない。

 

都内在住の男性にすれば、できれば都内で一人暮らしの女性が好ましい、というのが本音だろう。

 

しかし……

 

美人は国境すら超える。

 

美人でなくても、タイプの女性なら距離は問題にならない。

 

あくまで自分のタイプの女性なら……

 

「映画、お好きなんですか?」

 

パーティーのテーマからすれば当然のことだけど、より多くの情報が返ってくると期待して、尋ねてみた。

 

すると彼女からは、けっこう好きですよ、となんとも微妙な返答があった。

 

 

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