その後のトークタイムも順調にこなした。
ジブリ作品のおかげで。
パーティー参加の目的が本来のものからちょっとずれてしまっているのを感じながらも、これはこれで楽しく、いよいよ社会勉強の趣を帯びてきた。
異なる文化圏に触れる旅。
次はどんなオタク女子かな?
多少の余裕すら持ち始めた僕は、鼻歌でも歌い出しそうな勢いで4番の個室に入る。
本日最後のトークタイムだ。
「こんにちはー」
そこで待っていたのは……
切れ長の目が特徴的な美人さん。
「こんにちは」
最初の5番さんとは対照的な、冷ややかな声で迎えられた。
突き放すような素っ気なさに、長い髪が微かに波打つ。
背筋はすっと伸び、首元の白い肌が見え隠れしていた。
これは……
この場に似つかわしくない容貌に一気に惹かれた。
仲良くなりたい、という欲とともに緊張が湧き上がる。
ジブリで大丈夫だろうか……
ルールに沿ってお互いのシートを交換すると、彼女のそれには『君の名は。』と書かれていた。
……よし!
どうやら出会いの神様はいるらしい。
「『君の名は。』好きなんですね。僕も好きで映画館に2回行きました!」
「……そうなんですね」
「お、面白かったですよね。入れ替わりは珍しくないけど、宇宙から隕石とかスケールが壮大で」
「そうですね」
薄い反応により緊張感が高まって、期待が焦りに変わっていく。
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