婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

076. オタク婚活パーティー【体験】池袋編(3)

5番さんの可愛らしい声が、アニメ好きという一面といかにもマッチしているように思えて、微笑ましくなった。

 

「たくさんあって迷ってるんですか?」

「はい、好きなのたくさんあって。もう書きましたか?」

「いいえ。実は最近、ちょっとアニメから遠ざかってて」

 

少しごまかして話すと、「お仕事が忙しいんですか?」と、これまた可愛らしく訊いてきた。

 

彼女にすれば「アニメ好き」は当たり前のことで、そこを疑う気持ちは生まれないらしい。

 

このパーティーの趣旨からいっても異質なのは僕の方で、申し訳なさを感じると同時に、フォローしなければと思った。

 

「仕事もそうですけど、ゲームやってて、時間が」

「わかります。睡眠時間なくなりますよね」

「なくなります。でもこのシート書かなきゃ。……ジブリでもいいんですかね?」

 

彼女は笑いながら「いいと思いますよ」と言ってくれた。

 

「じゃあ、ラピュタにしようかな」

「あ、私もそれが一番好きです!」

「ですよね!」

 

まもなくパーティー開始のアナウンスが流れて5番さんとのトークタイムが始まったが、ジブリの話題だけで最後まで盛り上がることができた。

 

彼女から渡されたシートを見てもチンプンカンプンだった僕は、心の中でジブリ作品に敬意と謝意を表しつつ、席を立つ。

 

 

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