婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

064. 婚活パーティー【体験】真夏の新宿ラウンジをハシゴして(8)

迷いから解放されるために7番さんと8番さんにはカップル希望を出さなかったけど、ちゃっかり3番さんには出していた。

 

ダメ元は悩まなくていいから最高に楽、それでもしカップリングしたら超ラッキー、という具合。

 

その上、連絡先は条件なく希望の人に送れるので、これも3番さんに送る。

 

他人がみたらやけくそにも見えるだろう。

 

多少の自覚もある。

 

そしてカップル希望の結果が出て……

 

「今回はカップリングが成立しませんでした。ですが……」

 

2名の方からカップル希望が届いていました、と続いていた。

 

2名……

 

そこはかとなく罪悪感が満ちてくる。

 

例によってそれが誰かは記されていないが、今回は見当がついた。

 

そのうちの1人が隣にいて……

 

「終わりましたね」

 

横を向いて、僕はあえて明るく言った。

 

彼女が第何希望の男性とであっても、カップリングしたことを祈りながら。

 

「ええ。ちょっと疲れました」

「僕もです。せっかくなんで、今日はこれから買い物でもします」

「私もそうしようかな」

「ありがとうございました。楽しかったです」

「ありがとうございました」

 

こういう流れも婚活パーティーの作法のひとつだろう。

 

ほどよい相手とほどよく出会えるほど、世間はゆるくない。

 

僕はもう一度お辞儀をして、断ち切るように席を立った。  

 

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