婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

030. 婚活パーティー【体験】初カップリング こだわりを捨てて(7)

「お待たせしました! 結果出ましたので、お手元のタブレットをご確認下さい!」

 

小さく一息ついてから、司会者の言葉に従って画面を更新する。

 

カップリングするぞ! と気張っていたせいか、普段よりも緊張していた。

 

すると……

 

一瞬、画面が光ったかと思うと、すぐに文字が飛び込んできた。

 

「おめでとうございます! カップリング成立しました!」

 

……よし! 

 

ついにきたよ!

 

カップル希望は一人にしか出してないから、相手は自ずと知れた。

 

でもこんな時って……どうするのが一番いいのかな。

 

まずはお礼? 

 

それとも「下で待ってます」と一言だけの方が、妙な気を遣わなくてお互い楽かな……

 

そんなことが頭の中を駆け巡る。

 

初めてのカップリングで、ましてその相手がすぐ隣にいるのだ。

 

正直、気恥ずかしかった。

 

とはいえ、それは慎ましやかなDさんだってきっと同じだろう。

 

最初の言葉は自分から切り出すべきだ。

 

そう思って隣に顔を向けると、恥ずかしさと満足が同居したような表情をしたDさんが、わずかに肩をすくめてうつむいていた。

 

「ここの会場って待ち合わせは下だと思うんですけど」

「あ、はい。多分そうですね」

「じゃあ玄関出たところで待ってますね」

 

うなずくDさんを後にして、僕は席を立った。

 

 

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