「みなさま、カップル希望のご送信ありがとうございました。結果でました!」
悩んで送信した後は早かった。
場内アナウンスに従って画面を操作すると、メッセージが現れる。
「残念ながら今回はカップリング成立しませんでした」
僕が希望を出したのはBさん1人。
つまり、Bさんが僕にカップリング希望を出さなかったということだ。
システム的にいうと、たとえば複数人にカップル希望を出した場合、より上位の人とマッチすれば、そちらとカップリングするだろう。
でもBさんに限っていえば、僕は下位指名もされなかったと想像に難くない。
そして、メッセージには続きがあった。
「カップリングは成立しませんでしたが、3名様からカップル希望が届いていました」
3名。
誰かはわからない。
ハッとして、横を向いた。
もしかして……
緊張で顔が強張っていたかもしれない。
もしAさんが僕に希望を出していたとすると、僕がAさんに希望を出さなかった(出していたとしても下位で、より上位の女性とマッチした)のがわかってしまう。
その一方で、彼女が希望を出してくれたなんて僕の思い上がりに過ぎず、たとえ出していたとしても、下位中の下位だったことも十分ありうる。
つまり、真相は当人にしかわからないのだ。
「全然ダメでした」
僕は本当のことを笑って言った。
すると彼女も笑いながら「私もです」と言った。
「難しいというか、なんというか。勉強になりました」
「いえ、私こそ。楽しかったです」
初めての会場で初めての相席の人。
それが彼女でよかった。
心からそう思えて、最後にお礼を言ってから席を立った。
その後、僕は90回のパーティーに参加して膨大な数の女性と出会うことになるが、ここで偶然隣り合ったAさんは、もしあの時カップル希望を出していれば……と今でも思わずにはいられない女性だ。
<参加したパーティーの公式サイトはこちらです>
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