婚活パーティー追想記

恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します

018. 婚活パーティー【体験】初参加(16)

見るでもなく自然と隣の席に目がいってしまう。

 

悩ましげなAさんの横顔。

 

選り好みしなければ男に苦労しないだろうと思わせるほどには整った顔立ち。

 

なにより性格がいいと思う。

 

そして、一番の疑問。

 

さて、この人は、どの程度の好感をもった相手にカップル希望を出すのだろう。

 

外見に中身、年齢、年収、将来性にバツの有り無しと、条件をいったらそれこそキリがない。

 

どこかで線引きをする。

 

男女を問わず、必ず。

 

Aさんにカップル希望を出すかどうかの判断において、まさに今、自分も直面している問題だ。

 

特定の項目に固執するか、総合点を重視するか。

 

いいなアピールは相互済みで、隣り合った縁もあって雰囲気だって悪くない。

 

だけど、雰囲気なんてそもそもデリケートなものだから、いつだって壊れる恐れを含んでいる。

 

それを認識しながら、壊れないように二人が協力して保っていく。

 

つまり努力案件だ。

 

相手のことを好きならば、いくら努力しても苦労とは思わないだろう。

 

逆に、切に惹かれてなかったら、案外簡単に手を離してしまうかもしれない。

 

ただの恋人関係だったらそんな過程も楽しめるが、このパーティーの趣旨を考えると……

 

初対面のときから、この活動に対する真剣さを滲ませていたAさん。

 

僕は目を閉じて、彼女も僕を選ばないことを願って、軽い自己嫌悪を覚えた。

 

 

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